映画「ミケランジェロ・プロジェクト」より
モニュメンツ・メン
史実に基づいた映画らしい。
第二次世界大戦の際に、ナチス・ドイツは、世界的な芸術作品の数々を、ユダヤ人や教会などから強奪していました。
ミケランジェロ、レンブラントやピカソほか多くの偉大なる芸術家たちの作品、それらを奪い返すべく幻術の分野の専門家達が集められ「モニュメンツ・メン」が結成さます。
ナチス・ドイツは、敗戦の色が濃くなった頃になると、逃亡の際に、それらの芸術作品を焼却したりして廃棄していました。
それらの暴挙から世界的な芸術作品を奪還し守るために戦った連合国側の兵士たちの物語ですね。
安心してみていられるというか、ストーリー的には、あまり起伏もなく、ヒューマニズムや芸術愛護の精神に富んだ映画です。
個人的には、大好きなマット・デイモンが、今回もナイスガイな役回りで出演しています。
さして可もなく不可もない映画といったところでしょうか。
主演のジョージ・クルーニーが、監督・制作・脚本も手がけた映画です。
(引用:YouTubeより https://youtu.be/Ef_kZl648PI)
芸術
歴史的に見てみても、時の権力者が、多くの偉大な芸術作品を、破壊したりという行為が、見られます。
東洋においては、毛沢東による「文化大革命」の際、同様な破壊が行われました。
色々と諸説はあるのでしょうが、これを、ある人々は、「文化大破壊」と呼んでいます。
似たような歴史は、日本にも見受けられます。
「廃仏毀釈」といった史実ですね。
人間は、素晴らしい芸術作品も生み出しますが、それらを破壊する二面性も、持っていますね。
芸術を愛する人々からすれば、芸術のために命を懸けるといった行為も、十分理解できるのでしょうね。
そこまで行かなくても、歴史の渦の中で、偉大なる芸術作品を破壊するといった蛮行には、少なくとも腹立たしい気持ちになりました。
マット・デイモン
再び、話は、マット・デイモンに戻ります。
役柄は、「モニュメンツ・メン」のメンバー、ジェームズ・グレンジャー役です。
任務で、パリに赴きます。
そこで、ナチス占領下の美術館で働きながらナチスから盗まれた美術品の記録をしていたクレール・シモーヌに出会います。
彼女の協力もあり、多くの美術品を奪い返すことに成功します。
最初は、つっけんどんだったクレールですが、ジェームズの人柄に惚れます。
そして、クレールから彼女の家での晩餐に招待されます。
クレールの方から誘われるわけなんですけれども、彼女の面子を損ねることなく断るシーンがありますね。
おそらく妻や子供たちを、偉大な美術品のように大切に思っているのでしょう。
なかなかのもんですね。
クレールが言います。
「ここは、パリ。パリでは、一夜限りの恋も許されるわ。」
マット・デイモンも、いろんな役柄を演じていますが、今回の「ミケランジェロ・プロジェクト」の役柄も、良いですね。
ジョージ・クルーニー
マット・デイモンを先に書いてしまいましたが、今回の映画「モニュメンツ・メン」のリーダー役フランクを演じるジョージ・クルーニー。
この映画では、先にも書きましたが、主演、監督・製作・脚本をこなしています。
少し前に、NHKの番組だったと思うのですが、アメリカの名門の俳優養成所であるアクターズスタジオの生徒たちの前で、毎回一流の俳優が、講演をするという番組でした。
その時に、クルーニーは、いろんな話をしていましたが、話の他に、自分以外の人物の物まねなどを披露しました。
その上手いこと、上手いこと!
俳優業じゃなくて、モノマネの芸人でも、充分にやっていけるとうならせる素晴らしい才能を見せていました。
その時、僕は、アメリカのショービジネスの世界で一流の俳優としてやっていけることって、伊達じゃないなと感心したものでした。
ケイト・ブランシェット
それから、あと一人、紅一点のケイト・ブランシェット。
オーストラリア出身の女優ですね。
いろんな映画に出演していて、素晴らしい演技派な女優さんです。
2013年に映画「ブルージャスミン」で、アカデミー主演女優賞を獲得しています。
その他、2004年には、映画「アビエイター」で、同じくアカデミー助演女優賞も獲得していますね。
なかなかに美人で知的な雰囲気の女優です。
この映画の場面の中で、一番印象に残ったのは、このケイト・ブランシェット演じる美術館に勤めるクレールが、マット・デイモン演じるジェームズを誘惑する場面でした。
新しい才能
その他にも、ビル・マーレイが、軽妙な持ち味で、出演していました。
最近のアメリカ映画界も、人気俳優が、監督をしたり脚本を書いたりするのが当たり前の時代になっているようですね。
ジョージ・クルーニーは、これからも、映画監督をして新しい映画に挑戦するのでしょうか。
それにしても、アメリカという国は、いろんな才能の宝庫という感じです。
日本も、「世界の北野」に続く新しい才能の登場が期待されるところですね。