映画「ラビング」より
今日の記事の見出し
あらすじ
1950年代後半、アメリカのバージニア州。
この時代のアメリカには、まだ異人種間結婚が、認められていない州があった。
白人のリチャード(ジョエル・エルガートン)と黒人のミルドレッド(ルース・ネッガ)は、幼馴染みで、互いを深く愛し合っていた。
ある日、チリャードは、ミルドレッドから、妊娠を告げられる。
不安そうに告げるミルドレッドであったが、喜ぶリチャードの顔を見て、安心する。
これを機に、二人は、結婚しようとするのだが、彼らの住む州は、異人種間の結婚が、認められていなかった、。
そこで、二人は、ワシントンDCで、結婚する。
しかし、それを認めない州の法律は、リチャードとミルドレッドに、離婚か州を出て行くかの決断を迫る。
そして、二人は・・。
まだ、根強い人種偏見と差別が存在した、そんな時代の中で、愛し合い、不当な迫害に苦しめられながらも、結婚し、家族や仲間と、慈しみあって生きたラビング夫妻の物語。
実話である。
(Youtubeより引用)
普通に接する偏見なき態度
昔、聴いた話なんですが、ボランティア活動に関するお話です。
「私は、困っている人を助けたいんです。」とか「恵まれない人たちの力になりたいんです。」といった大義名分を掲げてくる人って、案外、すぐにボランティア活動を辞めて行くらしいですね。
「暇だから、何かお手伝いできたら・・。」くらいで始めた人が、意外と長く関わって行くと云う現実の話を聴きました。
なるほどと云う印象を受けたんですよね。
この映画「ラビング」を見てても、夫のリチャードには、黒人を意識したところが、まったくなくて、ごくごく自然に黒人の妻や仲間に接しています。
人種差別反対などの大義名分的な振る舞いがありません。
リチャード・ラビングを演じたジョエル・エドガートンが、良いですね。
素朴で普通にいる善良な家庭人の夫を、好演しています。
力んだところがなくて、包容力のある人物です。
一方、黒人妻のミルドレッド役のルース・ネッガも、落ち着きのある素朴で家庭的な女性を好演していますね。
人生、いたるところに差別と偏見があります。
恐らく、こう云うのってなくならないのではないでしょうか。
最初から、差別や偏見の意識がなく、ごく自然に接することができると云うのは、素晴らしいと思います。
異人種間結婚禁止法について
1958年、17歳だったラビングさんは、6歳年上の建設作業員リチャード・ラビング(Richard Loving)さんと結婚した。
当時バージニア州では異人種間の結婚が禁止されていたため、2人は首都ワシントン(Washington D.C.)で結婚し、その後州内で新婚生活を始めた。
ところが数日後、保安官が突然訪ねてきて、「白人男性を夫にした」としてラビングさんを逮捕した。
2人は事実上の「州外退去命令」を受け、ワシントンに居を移した。
そして、複数の人権団体とともに、異人種間の結婚を禁止する州法は憲法に違反するとして州政府を訴える。
このいわゆる「ラビング対バージニア」訴訟で、最高裁は1967年、同法を違憲とする歴史的な判決を下した。
これにより、ほかの16州でも異人種間の結婚を禁止する法律が見直されることとなった。
■法律を変えようとしたのではなく、愛のために闘った
この判決から40周年にあたる2007年6月、ラビングさんは「わたしたちは、法律を変えようとして闘っていたのではなく、愛のために闘った」と当時を振り返った。
また、米公民権運動の先駆けとして知られる故ローザ・パークス(Rosa Parks)さんになぞらえられることについて、「歴史的な偉業を成し遂げたとは思っていない」と控えめな性格をのぞかせた。
リチャードさんは1975年、交通事故で死亡。同乗していたラビングさんは、片目を失明した。
38年前に黒人女性と結婚したアメリカン大学(American University)のゲリー・ウィーバー(Gary Weaver)教授は、「自宅には卵が投げつけられ、車にはライフルの弾が9発撃ち込まれ、芝生には火をつけられたものです」と語った。
「1970年代初め、白人と黒人との結婚は非常にまれでした」
米国勢調査局(US Census Bureau)によると、異人種間の夫婦は今や全米で430万組にのぼる。南部のアラバマ(Alabama)州では、2000年になってようやく異人種間結婚禁止法が撤廃された。
(c)AFP/Virginie Montet
(AFP BB NEWSより引用・抜粋 https://www.afpbb.com/articles/-/2387844)