映画「欲望のバージニア」より
次男フォレスト
ただただ、ボンデュラント三兄弟の次男フォレスト(トム・ハーディ)のカッコ良さに惚れてしまう映画。
アメリカの禁酒法時代に実在していた密造酒を売るポンデュラント三兄弟のお話です。
暴力的なシーンが、結構出てくるのですが、それよりもむしろ、抒情的な文芸作品を観ているような感じがしました。
アメリカの禁酒法の時代というと、アル・カポネなんかのギャング全盛時代を連想します。
しかし都会を離れたど田舎の町でも、いろんな抗争が起きてたわけですね。
そして、やはり男は、強くなくてはいけないとしみじみ思わせてくれる映画です。
2012年アメリカ映画。
(引用:YouTubeより https://youtu.be/fL98gZairk8)
禁酒法
今でも、中東のイスラム教などでは、飲酒は禁止されていると聞きますね。
アメリカにも、禁酒法なるものが存在した時代があったことが驚きです。
「飲み・打つ・買う」などという言葉がありますが、この三つというのは、人間にとって(とくに男にとってでしょうか?)やめられないもののようです。
禁酒運動による相当な圧力の下で、米国上院は1917年12月18日に憲法修正第18条を提出した。1919年1月16日に3/4の州(当時は36州)による批准が完了して憲法修正条項が成立し、翌年1月16日に施行された。いくつかの州議会では憲法修正第18条の批准の前に、州としての禁酒法を既に立法化していた。
ボルステッド法(正式名:国家禁酒法)はウッドロウ・ウィルソン大統領が拒否権を発動するも、1919年10月28日に議会が再可決し、「酔いをもたらす飲料」を法的に定義して、憲法修正第18条で規制の対象とするアルコール飲料を定めた[2]。一方、ボルステッド法はアルコール販売を禁止したが、法律を強制することはほとんど行われなかった。違法な酒の流通および無許可での製造販売は激烈になったが、アメリカ合衆国連邦政府にはアメリカ合衆国全ての国境、湖、河川および秘密酒場で法執行を強制する手段も意志もなかった。実際にはニューヨーク市単独でも、30,000 – 50,000軒もの違法な酒場(スピークイージー)が至るところにあった[3]。特に都市部においては禁酒法は世界大恐慌の間、次第に不興を買うようになった。
1933年3月23日に、フランクリン・ルーズベルト大統領はボルステッド法のカレン=ハリソン修正案に署名した。そして、特定の種類のアルコール飲料の製造・販売を許可した。1933年12月5日に、米国憲法修正第21条は修正第18条を廃止した。
(ウィキペディからの引用文)
ポンデュラント三兄弟
ポンデュラント家の次男、フォレストは、精神的にも肉体的にもタフな人物で、死なない男という伝説の持ち主。
三兄弟のリーダー格です。
長男のハワード(ジェイソン・クラーク)も、同様にタフさが売り物ですが、三男のジャック(シャイア・ラブーフ)は、二人の兄たちとは違って、どちらかというとおとなしいナイーブな人物。
しかし、なかなか聡明な部分を持っていて、密造酒の販売で商才を発揮するのでした。
この映画「欲望のバージニア」は、三男のジャックを中心にストーリーが展開されます。
マギーとフォエスト
ある日、三兄弟のもとに、都会から流れてきた女マギー(ジェシカ・チャスティン)が、現れます。
都会で傷ついた大人の女というところでしょうか。
マギーは、三兄弟に、店で、働かせてくれと頼みます。
そして、いつしか、次男のフォレストとマギーは、おたがいに好意を抱くようになります。
(フォレストは、一目惚れだったのかもしれません。)
そんな中、やくざ風の男二人が、店にやってきてマギーにちょっかいを出そうとすると、フォレストが、軽く撃退してしまいます。
ところが、撃退された二人が、再び店に侵入し、フォレストの首を、刃物で切り裂くという事件が発生します。
結局、不安になり店に帰ったマギーが、フォレストを病院まで運び、何とか一命をとりとめるのですが・・。
じつは、この件では、当初、フォレストは、30キロの道のりを、自分で歩いて病院まで行ったという風に勘違いしていたのですね。
そうこうするうちに、ある晩、マギーが、フォエストの寝室のベッドに現れて、二人は、結ばれるのでした。
傷ついた女を、不愛想ながらも、優しくいたわるというフォレスト・タイプは、男のカッコ良さのひとつですね。
フロイドとチャーリー
その他の俳優を紹介すると‥。
ギャングのボス、フロイド役で、ゲイリー・オールドマンが、出演しています。
日中、街中で、マシンガンをぶっ放して敵をやっつけるという場面が出てきます。
狂気を帯びた悪役というのか、こういう役は、ホントにピカ一ですね。
近年は、バットマン映画「ダークナイト・ライジング」でも、幼少期のバットマンの心のよりどころとなった警察官役なんかもやっていて、なかなかに演技の幅の広い俳優さんですね。
あと、憎まれ者の取締官チャーリー役のガイ・ピアース。
映画「L.A.コンフィデンシャル」では、正義の警官役でしたが、今回は、大した悪役ぶりでした。
あまりのワルさに、最後は、上司である仲間の警官から拳銃で撃たれるのが、傑作でした。
徹底した悪役でしたね。
お見事。
というわけせ、今回は、男は、強くタフでなければならないと、改めて感じさせられた映画でした。