映画「バガー・ヴァンスの伝説」より
ロバート・レッドフォード
ロバート・レッドフォードの監督作品。
そこそこ面白くて、割かし良くできているという感じの映画です。
レッドフォード監督は、風景の美しさとか人間の崇高な精神とかの部分にこだわる人なんでしょうね。
そんな印象を抱きながら、俳優陣が、僕の好きな面々だったので、結構楽しく観ました。
特に大作というわけでもなく、レッドフォードの作る映画は、秀作という感じの映画が多い気がします。
この映画「バガー・ヴァンスの伝説」も、そんな印象の映画ですね。
2000年公開のアメリカ映画。
ゴルフ・マッチ
映画の題名とポスターを観る限りでは、ウィル・スミスが主人公のようなのですが、映画を観てみると、マット・デイモンが主役な感じです。
ラナルフ・ジュナ(マット・デイモン)は、若き天才ゴルファーとして将来を嘱望されていたのですが、第一次世界大戦に出兵し、地獄のような戦場を体験したことがトラウマとなって、人生に挫折してしまいます。
ゴルフも捨て、恋人のアデール(シャリーズ・セロン)のもとも去り、自堕落な生活を送るな毎日でした。
おりしも、世界恐慌の時代で、ちまたは、破産した会社や人々でいっぱいでした。
アデールの大富豪の父も、自殺してしまいます。
アデールの父は、アメリカ最大のゴルフ・リゾートを造っていたのですが、跡を受け継いだアデールは、資金難を解決するために、あるイベントを思いつきます。
このイベントというのが、当時のゴルフ界の二大スタートとジュナの三人が、ゴルフ・マッチを行ううというものだったのです。
バガー・ヴァンス
参加を渋るジュナの前に、バガー・ヴァンス(ウィル・スミス)という不思議な自称キャディが現れます。
ゴルフの方も、すっかり腕が錆びついていたジュナでしたが、バガー・ヴァンスの指導を受けて、ゴルファーとしても人間的にも、立ち直っていくのでした。
ウィル・スミスが、なかなか良い味を出しています。
バガー・ヴァンスの真摯で優しい人柄が、伝わってきます。
僕も大ファンなマット・デイモンも、ジュナの人柄の良さとかゴルフや人生に対する生真面目さをよく表現していますね。
特に、マット・デイモンが、非常に若い印象を受けました。
今や、ウィル・スミスもマット・デイモンも、アメリカを代表するスター俳優ですね。
それから、ジュナの恋人アデール役のシャリーズ・セロン。
タフなアメリカ南部女性を、なかなか良く演じています。
シャリーズ・セロンの場合、どうしてもスタイルやルックスの良さが、先に来てしまう印象なんですが、どうしてなかなかの演技派な一面が、よく出ていたように思いました。
(引用:YouTubeより https://youtu.be/ZHzN6uZ_4C4)
ジャック・レモン
それと、この映画には、素晴らしいスターが、登場しています。
大人になってからのハーディ・ツリーヴスを演じているジャック・レモンです。
少年期に、バガー・ヴァンスと共に、ジュナのキャディーを務めた人物です。
この映画の最初と終わりにゴルフ場で心臓発作を起こす人物です。
ジャック・レモンは、すでに故人にですが、この映画の翌年に他界しています。
「アパートの鍵貸します」「お熱いのがお好き」「幸せはパリで」他「セイブ・ザ・タイガー」で、アカデミー主演男優賞を受賞。
その他にも、アカデミー助演男優賞や様々な受賞歴がありますね。
フェアプレーの精神
ゴルフ・マッチの終盤で、ジュナが、マイ・ゴルフ・ボールを動かしてしまい、ワンペナルティを審判に申告する場面があります。
ハーディ少年が、「誰も気づいていないから、申告しないでいい。」というのですが、ジュナは、申告しますね。
その時に、対戦相手の二人も、「君の勘違いではないか。」とか「申告する必要なはい。」みたいなこと言うのですね。
フェアプレーの精神というのでしょうか、レッドフォード監督好みのシーンかもしれません。
さすが紳士のスポーツですね。
5ドル
それにしても、バガー・ヴァンスは、失意のジュナのもとに突然現れて、試合中に突然去って行きます。
そして、ジュナにいろんな哲学的とも言えるアドバイスをし再生させていきます。
彼は、いったい何者だったんでしょうか。
キャディの報酬も、たったの5ドルだったしね。
何となく、神の使いのようなバガー・ヴァンスでした。
というわけで、今回は、ファエプレー精神がすがすがしいレッドフォード監督のゴルフ映画でした。