映画「マレーナ」より
ジュゼッぺ・トルナトーレ
とにかく、この映画「マレーナ」の監督、ジュゼッぺ・トルナトーレという人は、天才だと思います。
僕の大好きな映画監督の一人です。
「ニュ・ーシネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」といった名作で、非常に世界的にも評価の高い映画監督ですね。
彼の映画は、人の心の中の郷愁のようなものを、強く揺り動かすとでもいうのか、揺さぶるのが上手です。
思わず涙がこみ上げてくる場面がありますね。
ひじょうに情感とストーリー性の確かな映画作りをする監督です。
そして、この映画でも、音楽を担当しているのは、エンニオ・モリコーネです。
この人もまた、天才です。
というわけで、今回は、映画「マレーナ」です。
モニカ・ベルッチ
主演のマレーナ役のモニカ・ベルッチ。ほんとに魅力的な女優さんです。
「イタリアの宝石」なんて呼ばれているそうです。
ファッションモデルでもあるんですね。
最近では、2015年の映画「007スペクター」で、最年長ボンドガールを演じました。
確かに存在感のある情感豊かな女性です。
彼女は、この映画「マレーナ」の主役を演じたことで、世界的にも知られる女優になりました。
確かに、この映画の中でも、主役だからというだけではない個性的な存在感を漂わせているわけですね。
シチリア
ジュゼッぺ・トルナトーレ監督は、イタリアのシチリア島の出身らしいですね。
この映画の舞台も、シチリア島です。
太陽の光がサンサンと降り注いでいて、街並みも、とても素朴でシックで個性的です。
この風景が、映画のストーリを、より情感豊かなものにしているように感じます。
雰囲気や年代は、「ニュー・シネマ・パラダイス」と重なります。
イタリア人って、恋愛好きな民族のイメージがありますね。
実際のところのイタリア人気質というのはどうなんでしょうか。
(引用:YouTubeより https://youtu.be/W-YD2Y8ojYE)
マレーナ
映画の全編を通じて、主人公のレナート(ジュゼッぺ・スルファーロ)、12歳の少年の目から見たマレーナとシチリアの町が描かれています。
マレーナは、町で一番の美人で、町中の男たちを、虜にしています。
少年たちから大人たちまで、みんなです。
逆に、町の女たちは、みんな、マレーナを嫌っていました。
嫉妬心ですね。
第二次世界大戦が始まって、マレーナの夫も、出征して行き、戦死してしまうのですが、男たちは、みんな、このニュースを喜びます。
マレーナを、自分のものにできるかもしれないというわけです。
悲しみに打ちひしがれているマレーナを、レナートは、見守り続けます。
しかし、マレーナは、生活のために娼婦に転落していくのでした。
やがて、戦争が終わり、ナチス・ドイツの兵隊たち相手に商売をしていたという理由で、マレーナは、ひどいリンチを受けてしまいます。
悲惨ですね。
手紙
それから、マレーナは、町を離れていくのですが・・。
戦死したはずの夫が、町に帰ってきます。
マレーナは、行方不明になっているし、町の住民は、誰も、何も教えてくれません。
自宅は、浮浪者たちから占拠されている有様です。
そんな時に、レナートが、マレーナの夫に、手紙を渡します。
その手紙には、マレーナの行先の心当たりと、マレーナが、酷い虐待を受けていたことなどが書かれていました。
そして、後日、マレーナと夫が、シチリアの町に帰ってきます。
すると、どうでしょう。あれほど、マリーナを蔑んでいたシチリアの女性たちが、今度は、暖かくマレーナを受け入れてくれたのです。
必死で生きているマリーナの生きざまを、認めたということなんでしょうかね。
ラストシーン
この映画のラストシーンを観ると、この映画って、人間崇拝の映画かなって思ってしまいます。
イタリアの女たちも、なかなか良い人たちですね的な感じでした。
イタリア女性の逞しさと優しい人情味みたいな部分も、描きたかったのかもしれませんね。
それと、この映画の途中途中で、同じくイタリア映画「青い体験」が、ダブりそうになりました。
イタリア男たちの軽いところが、思わず重なりました。
それにしても、モニカ・ベルッチの魅力が、存分に表現されている映画でした。