映画「ニュートン・ナイト
ニュートン・ナイト
この映画「ニュートン・ナイト」が、史実を題材としたものである事に驚きます。
ニュートン・ナイトみたいな人物が、本当にいたんですね。
現トランプ政権の前に、アメリカに初めて黒人のオバマ大統領が誕生しました。
この映画を観て、オバマ政権の誕生が、どれほどアメリカの歴史の中でも、ものすごい出来事だったのか再認識させられました。
それにしても、人類の歴史って、アメリカの黒人奴隷だけに限らず、多くの差別や、金持ちが貧乏人から金を搾取するような事の繰り返しですね。
こういった現実というのは、まだまだ世界に多く見られるようです。
こうした差別と搾取あるところには、必ず改革を唱えるリーダーが現れるのも、歴史的必然のようです。
リンカーン大統領しか知らなかった僕は、大変この映画を観て感心いたしました。
差別と搾取
この人間世界は、差別と搾取のオンパレードと言っても過言ではありません。
差別と一口に言っても、その形態は、様々です。
人種差別はもとより、貧富の差による差別、容姿による差別、能力による差別等々です。
差別される人間は、たまらなく辛いわけで、差別する人間が悪いというのも当然なんですが。
もう一つ情けないのは、差別を見て見ぬふりをする人々でしょうか。少し映画の話から逸れてしまっていますね。
南北戦争
アメリカの南北戦争と言えば、リンカーンによる奴隷解放で有名です。
映画でも、「風と共に去りぬ」を始めとして、南北戦争当時の綿花商人が、黒人奴隷を酷使して綿花を栽培させ巨万の富を得ていたことは、よく知られています。
安い労働力は、金儲けの必須条件です。
その為に、アフリカから連れてこられた黒人奴隷たちは、家畜並みの酷い扱いを受けたのですね。
それを、アメリカの第16代大統領リンカーンが、南北戦争によって奴隷解放をしたのですが。
この映画「ニュートン・ナイト」では、リンカーンの奴隷解放より以前に、白人も黒人も平等であるとの主義から、なんと白人と黒人の連合軍を編成して戦ったという史実ですね。
この白人というのが、いわゆる貧困層ですよね。
真面目で勤勉で、細々と農業や畜産を営みながら暮らしている人々です。
結局、黒人に対する人種差別だけでなく、よく例えられるところの搾取する資本家側と搾取される貧困層みたいな図式があります。
(引用:YouTubeより https://youtu.be/ML3lC5kYtbM)
自由州
それにしても、ニュートン・ナイト(マシュー・マコノビー)という人物は、この映画を観る限り、凄い英雄ですね。
映画の中では、敬虔なクリスチャンというような面も描かれています。
それに、後妻として黒人の女性と再婚もしています。
彼の黒人の親友モーゼス(マハーシャ・アリ)との友情も、共感を呼びます。
そもそも、南北戦争において、南軍の兵士として従軍していたニュートンですが、なんで搾取して私腹を肥やしている資本家の為に尊い命を捧げなければならないのか疑問を持っています。
そんな中、甥の戦死を機に、遺体を故郷の届けるために脱走します。
そして、故郷で目にしたのは、貧しい農民たちから作物や物資を搾取する兵隊たちでした。
結果、自分をかくまってくれた黒人たちや仲間の農民たちと反乱軍を結成し戦うのでした。
この反乱軍は、勢力を拡大し、ミシシッピ州ジョーンズ郡に「自由州」を設立するのです。
現実には、根強い人種差別があり、ニュートンの親友であるモーゼスも、リンチに遭い殺されてしまいます。
また、南北戦争後も、綿花商人が、再び勝手な法律の下に黒人を奴隷として使用したりするのです。
こういったことに対して、あくまでニュートンは、自分の信条を貫き通し人種差別や搾取の撤廃を求めて戦ったのでした。
ゲイリー・ロス
小学生の頃、図書館からリンカーンの本を借りて読んだことがありました。
しかし、ニュートン・ナイトという人物は、この映画を観て初めて知りました。
この映画の監督・脚本は、ゲイリー・ロス。
「シービスケット」「ハンガーゲーム」の監督です。
主演のマシュー・マコノビーは、「ダラス・バイヤーズクラブ」でアカデミー主演男優賞を獲得。
この映画も、話題作でしたね。
エイズで麻薬の売人という役柄を見事に演じました。
それと、最初、この映画のポスターを見た時、マシュー・マコノビーを、クリスチャン・ベールと思って勘違いしてました。
怒り
最近、世界を見て、僕も、色んな怒りを覚えることがあります。
みんなが平和で仲良く暮らせる世界は、実現するのでしょうか。
アメリカも、随分、人権問題などでは、先進国のように思われます。
しかし、現実には、相変わらず人種差別や偏見は、無くならないようです。
それでも、ニュートン・ナイトのような人物は、また現れるんでしょう。
僕も、少しはニュートン・ナイトのようになるべく頑張ります。
そんなことを思った映画でした。