映画「タクシードライバー」より
タクシードライバー
久しぶりに、映画「タクシードライバー」を観ました。
ロバート・デ・ニーロが、32歳頃の作品です。
この映画では、ロバート・デ・ニーロの見事な演技もさることながら、ジョデイ・フォスターが演じた12歳の娼婦役が、話題となりました。
この時代のアメリカ映画というのは、ベトナム戦争以降、それまでとは違ったアメリカ社会を描く作品が多く作られていたようです。
いわゆるアメリカンニューシネマに代表されるような映画ですね。
この映画「タクシードライバー」は、アメリカンニューシネマの後期の方の作品と言われています。
ベトナム戦争というのは、アメリカ社会にとっても、大きな傷を残した戦争だったようですね。
シルベスタ・スタローン主演の映画「ランボー」の主人公も、心が傷ついたベトナム戦争帰りの兵士でした。
今回のこの映画「タクシードライバー」の主人公トラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)も、ベトナム戦争で海兵隊に従軍した帰還兵です。
戦争の後遺症で、精神を病んだ不眠症のタクシードライバーですね。
(引用:YouTubeより https://youtu.be/UneHDzMhbbw)
うつ病
最近は、日本でも、うつ病とか統合失調症の人たちが増えているようです。
一説によると、薬品会社の陰謀説を唱える人らもいるようですが。
でも、確かに会社の同僚とか友達知人関係の中に、うつ病とか心療内科に通っている人って必ずいますよね。
こういう傾向の原因って、ブラック企業であるとかいじめとか人間関係の悩みだとか言われますね。
とにかく人って、自分がやりたくないこととかを継続的にやらされているとおかしくなるもののようです。
ずっと昔、何かの記事で読んだのですが、黒柳徹子さんのお話です。
黒柳さんは、小さい頃は、とても病弱だったそうです。
ところが、大きくなったある時期から、病気をしなくなったそうなんですね。
その原因を尋ねられた時、彼女は、こう答えたそうです。
「私は、ある時期から、自分がしたくないこと思うことは、絶対にしないことにした。」そうです。
そしたら、病気をしなくなったというわけです。
なんか説得力ありますよね。
考えて見れば、現代社会に生きる僕らというのは、やりたくないことばっかりやらされているような気がしますもの。
PTSD
この映画「タクシードライバー」の主人公トラビィスに限らずですけど、ベトナム戦争に行った人たちも、ある平和な日常から戦場という異常な環境に行かされたわけですよね。
ベトナム戦争に限らず湾岸戦争やイラク戦争でも、船上から帰還した兵士たちは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされました。
もはや、現在の世界、日本でも、いわば戦場と同じ環境で生活している人たちが、いっぱいいるということですね。
僕も、営業職が長かったのですが、今、ブラック企業系営業会社って、うつ病製造所みたいです。
トラヴィス
トラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)は、自分の中にある苛立ち、孤独感を、腐敗した社会に原因があると思い込んでいます。
街にあふれている買春・万引き・暴力。
タクシードライバーをしながら偶然知り合った12歳の売春婦アイリス(ジョディ・フォスター)。
トラヴィスは、まだ子供のアイリスを利用して金を貢がせているヒモの男やその仲間たちから、救おうと計画を立てます。
銃の密売人から拳銃を何丁も仕入れ、腕立て伏せや懸垂をして体を鍛えます。
そして、アイリスのヒモや仲間のいるアジトに攻め入るのですね。
その結果、トラヴィス自身も、銃で撃たれて重傷を負うのですが、命は無事でした。
結果、トラヴィスは、マスコミから少女を悪党どもから救い出したヒーローとして紹介されます。
演技論
ロバート・デ・ニーロは、作品の役柄の人物になりきるために、徹底的なリサーチをすることは、有名です。
実際、この映画「タクシードライバー」の主人公トラヴィスになるために、自分でも、タクシーの運転手をしたらしいですね。
余談ですが、ジョディ・フォスター関連で、映画「羊たちの沈黙」で殺人鬼ハンニバル演じた名優アンソニー・ホプキンス。
彼は、ロバート・デ・ニーロとは対極の演技論の持ち主のようです。
ロバート・デ・ニーロのこういった手法を、愚の骨頂だなどとおっしゃっていたとか。
名優と言われるロバート・デ・ニーロとアンソニー・ホプキンスの演技論の違いは、それはそれで、凄いですね。
ラストシーン
それにしても、主人公のトラヴィスは、アイリスを救った行動以降は、夜眠れるようになったのでしょうか。
そういえば、ラストシーンでは、一度はトラヴィスをふったベッツィー(シビル・シェパード)が、わざわざトラヴィスのタクシーを訪れますね。
二人は、よりを戻したのでしょうか。
不眠症は、心療内科的症状に、よく表れるみたいです。
自分を取り巻く環境って大切です。
「したくないことはしない生き方」ができるようになりたいですね。
今日も、映画と関係ない話が多くて、スイマセンでした。