映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」より
現代世界
この映画「アイ・イン・ザ・スカイ」を観ていて、何かドキュメントな戦争映画を観ているような気分になりました。
実際に、現代世界で、戦争の道具として使われている道具というのは、この映画に出てくるようなものなのか!
グライダーのような無人偵察機とか小鳥とかカナブンのような形状の超小型偵察機などが活躍しているのでしょうか。
ちょっと、認識不足だったと感じてしまいました。
今や、仮面ライダーに登場していた科学兵器は、現実の兵器になってしまっていたのです。
(引用:YouTubeより https://youtu.be/lvPVwwoWak4)
ヘレン・ミレン
主演は、ヘレン・ミレン。
名女優ですね。
いかにも仕事のできそうなキャリア・ウーマンチックな雰囲気の女優です。
1945年生まれで、すでに71歳におなりです。
イギリス人らしい上品さと知的な雰囲気がありますね。
この映画「アイ・イン・ザ・スカイ」では、キャサリン・パウエル大佐を演じています。
女性の大佐って、凄いですよね。
こういう部分っていうのも、英国や米国では、当たり前なんでしょうか。
近代戦争
この映画では、自爆テロを、排除するという作戦を遂行する女性の大佐役です。
イギリス、アメリカとケニアの軍が協力して、この作戦を遂行するわけですね。
アメリカのドローンが上空から重要テロリストを見張っており、隠れ家の近くでは、ケニアのメンバーが、小鳥やカナブンの形状をした超小型偵察機を駆使しています。
その状況というのは、リアルタイムでパソコンの画面に映し出されています。
テロリストの動きが、一挙手一投足、カメラに映し出されます。
まさに近代戦争ですね。
人道的見地
しかし、いざミサイルを発射して、テロリストを一掃しようとすると、政治家の思惑が、邪魔をします。
優柔不断な決断力のなさが、事態をより複雑な状況にしていくのです。
この軍人と政治家の絡みも、面白いですね。
なおかつ、いざ攻撃しようとする現場の前の路上で、少女が、パンを売っているという状況。
攻撃すれば、少女が巻き込まれてしまいます。
人道的な見地からも、少女を見殺しにはできないところですね。
自爆テロにより死んでしまう何十人かの命と一人の少女の命と、どちらを優先させるべきか?!
決断力
よく言われるんですが、企業のトップにしろ、政治家にしろ、求められるのは、決断力ですよね。
なかなか難しいテーマです。
それで、この映画「アイ・イン・ザ・スカイ」では、キャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)が、作戦の決行を任せられているわけです。
程よく年齢を重ねたヘレン・ミレンが、パウエル大佐役を、見事に演じていますね。
ひと口に人道的であるとか正義であるという言葉では割り切れない状況を、判断し作戦を決行する決断力が求められる役柄です。
アラン・リックマン
そして、もう一人。
パウエル大佐の上司であるフランク・ベンソン中将役のアラン・リックマン。
「ハリー・ポッター」シリーズを始め、いろんな映画に出演している名優です。
残念なことに、この映画「アイ・イン・ザ・スカイ」が、彼の遺作となってしまいました。
この物語の最後で、女性の政治家が、「言わせてもらえば、恥ずべき作戦ね。あなたは、安全な場所からやったのよ。」と言います。
ベンソン中将は、「私は、爆破直後の現場処理を経験した。5つの自爆テロ現場でのことだ。地面に遺体が散乱していた。今日、コーヒーとビスケットを手に見たことは、・・・恐ろしい。彼らがやったであろうことは、もっと恐ろしい。決して軍人に言ってはならない。彼が戦争の代償を知らないなどと。」と答えます。
この映画の中でも、政治家の決断力のなさとか優柔不断さが、随所に見られます。
これも、この映画からのメッセージではないでしょうか。
悲しい現実
結局、パンを売っていた少女は、攻撃の巻き添えになり亡くなります。
今、世界中で、自爆テロが多発しています。
悲しい現実ですね。
パンを売っていた少女は、悲しみの連鎖の犠牲になったのです。
それにしても、インターネットというものは、戦争も、変えてしまったのですね。
僕らが、ずっと小さかった頃には、ゼロ戦に乗ったパイロットが、武士道とか大和魂を掲げつつ空で闘っていたのですが・・。
人の心が追いつく間もなく、世界が変わっていっているようです。