映画「時雨の記」より
日本映画界を代表するスター
吉永小百合と渡哲也と言えば、日本映画界を代表するスターですね。
小百合さんは、相変わらずお元気な様子ですが、渡さんは、ご病気療養中とか聞きました。
日本の映画界で、長く活躍してきたお二人です。
この二人に共通していることと言えば、美男美女なこと。
容姿端麗。悪役をしたことがない。ほとんどが主役。
そんなところでしょうか。
この二人が、共演した映画「時雨の記」です。
中年な大人の恋物語ですね。
壬生と多江
壬生孝之助(渡哲也)は、建設会社の専務。
或る日、パーティの会場で、多江(吉永小百合)を見かけます。
彼女は、壬生にとって、ずっと心に秘めていた忘れられない女性でした。
この出会いを機に、壬生は、積極的に多江にアタックを始めます。
壬生には妻もあり、家庭もあります。
会社では、専務という役職者。
仕事人としても、建設会社で、つわもの達の中で、逞しく生き抜いてきたようなタイプの男でした。
一方の多江は、夫を亡くしており、生け花の先生をして暮らしていました。
最初は、壬生の猛烈アタックに戸惑っていた多江でしたが、彼の一途さに、次第に好意を抱いていきます。
壬生の滑稽なほどの純粋さと、多江の品格のある女性像が、大人の恋愛という印象を清々しく感じさせます。
(引用:YouTubeより https://youtu.be/79HzQV5wluk)
男心
こういう男心っていうのは、何か理解できますよね。
結婚している男であっても、過去に、妻以外の女性を好きだったことはあると思います。
できれば、僕の個人的な見解は、結婚してから理想の女性なんて現れて欲しくないですけどね。
だって、現れたら大変ですよ。
それは、ともかくも、壬生は、多江と、出会ってしまったのです。
本当に好きだったんでしょうね。
ずっとずっと、心の中に多江の面影が、宿っていたんでしょう。
壬生の妻、佳子に対しては、躊躇することなく、自分の気持ちを伝えます。
離婚して、多江と生きていきたいという思いを。
この部分は、あまりにも妻の佳子がかわいそうな気がしました。
妻からしたら、たまらないですよね。自分は、いったい何だったのだという思いでしょう。
庵
壬生と多江は、京都の吉野に、ふたりの庵を建てようと計画します。
しかし、そんな時、壬生が、心不全で倒れ、帰らぬ人となってしまうのでした。
そして、葬儀も終わってから数日後、佳子が、多江のもとを訪れます。
多江に、自分の感情を激しくぶつけるわけなんです。
これは、当然ですよね。
多江としては、黙って耐えるしかないのでした。
こうして、壬生と多江の恋は、壬生の突然の死で、終わってしまいます。
少女と少年
ストーリーの概略を述べると、こんな感じなのです。
この物語の中で壬生を演じる渡哲也の表情が良いですね。
多江といる時の、少年のような眼差し。
多江も、戸惑いながらも、次第に壬生を受け入れていく気持ちの高まりを、小百合さんが、上品に演じています。
ふたりは、まだ幼い少女と少年が、遊んでいるかのような印象を受けました。
一途な思い
一説によりますと、実生活の方でも、渡さんと小百合さんは、結婚寸前までいったような噂を聴いたことがあります。
これって、余計なお世話な話なんですが、この映画の二人は、本当に良い感じです。
人を好きになるっていうのは、不思議ですね。
しかしながら、冒頭にも書きましたように、壬生は、立派な家庭人であり、大きな建設会社にあっては、出世競争を見事に書き抜いて、専務という要職にあるやり手の仕事人です。
そんな彼が、ずっと、心に秘めていた多江への一途な思いに突き進むというのは、ちょっと感心してしまいます。
そこが、ドラマなんでしょうけどね。
やり直しの利かない一度だけの人生と思うから、そんな子動力が生まれてくるのかもしれませんね。
お体大切に
渡哲也さんも、70代の半ばにおなりですね。
僕らの年代でも、石原プロモーションの「西部警察」などで、すっかりお馴染みなんですが。
ご本人は、本当は、アクション作品よりも、人間ドラマを描いたような作品を演じたかったようなことを、いつか言われていました。
くれぐれも、お体大切に。
小百合さん、これからも、頑張ってくださいね。