映画「パブリック・エネミーズ」より
デリンジャー
ジョニー・デップ演じる、この映画「パブリック・エネミーズ」の主人公は、実在した銀行強盗のジョン・デリンジャーです。
1930年代のアメリカの大恐慌の時代に存在していたわけなんですが、貧しい人からは奪わないという義賊のような銀行強盗だったとか。
僕の大好きな池波正太郎さんの「鬼平犯科帳」の中にも、いろんな盗賊が登場します。
結構、義賊と思われる盗賊も、多く出てきますね。
「鬼平犯科帳」のテレビドラマの中でも、よく「犯さず殺さず貧しきからは奪わず」というセリフが、登場します。
日本でもアメリカでも、その他の国々でも、同じような義賊は、存在していたのではないでしょうか。
映画「俺たちに明日はない」のボニーとクライドも、同じアメリカの1930年代に実在していた銀行強盗でしたね。
それだけ、この時代は、人の心も、不安定な時代だったことでしょう。
パブリック・エネミーズ
義賊というと、僕は、昔の時代劇に登場する「鼠(ねずみ)小僧」を、連想します。
権力をかさに、貧しい人々から搾取したお金を、鼠小僧が盗み出して、貧しい人々に分け与えるというようなお話ですね。
今回の「パブリック・エネミーズ」という言葉の意味は、「公共の敵」というような意味のようです。
要するに社会悪というような捉え方なんでしょうね。
映画の主人公、ジョン・デリンジャーに対して、警察機構のようなものが、そのように命名していたようです。
(引用:YouTubeより https://youtu.be/WDbfbt7YXdE)
大恐慌の時代
確かに、ジョン・デリンジャーは、人気者であったようです。
ひじょうに大胆不適な行動力で銀行強盗を重ね、貧しきからは奪わないスタイル(?)が、当時の大衆の心をつかんだのでしょうね。
時代は、大恐慌の時代で、人々の心も、不安とか恐れのようなものに支配されていたと思われます。
そのような状況の大衆の怒りは、どうしても、時の権力者とか特権階級のような類に矛先が向きますよね。
そんな中で、デリンジャーは、銀行強盗ながら、権力機構や特権階級に喧嘩を売ったみたいなところでしょうか。
政治家なんかは、こういった大衆心理をつかむのも大変でしょうね。
俳優たち
今回、色んな俳優達が、出演しています。
デリンジャー役に、ジョニー・デップ。
デリンジャーを捕まえようとする警察方のリーダー、メルヴィン・フーヴァー役に、クリスチャン・ベール。
デリンジャーが愛した女性、ビリー・フレシェット役に、マリオン・コティヤール。
それから、この映画の制作側に、ロバート・デ・ニーロが、参加していますね。
今や、アメリカの映画界も、クリント・イーストウッドやロバート・レッドフォート、シルベスタ・スタローンらに見られるように、俳優としてだけではなくて、映画監督としてや、映画の制作側の方から映画に関わっていくケースが増えてきていますね。
ジョニー・デップ
それにしても、ジョニー・デップ。
色々と話題も多い魅力的な俳優です。
出演作も、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズから「シザーハンズ」「チャーリーとチョコレート工場」「ブラック・スキャンダル」など、凄く個性的な役どころが多いですね。
私生活の方でも、経済的に破産の危機説とかも噂されています。
日本のCMでも、福山雅治と、ギターの共演もしています。
なかなかミュージシャンとしての素質も豊富な人物のようですね。
はたまた、最近では、アメリカのトランプ大統領に対しての過激な発言でも、注目を集めました。
本当に、大スターらしい華のあるスターです。
時代
この記事の冒頭でも書きましたが、洋の東西を問わず、国は違えども、同じ人間です。
反骨心であるとか義侠心というものは、変わらないようですね。
男の美学などという表現をされたりもしますが、ある面では、その時代のムードが、ヒーローを生み出していくとも言えるようです。
アメリカの大恐慌の時代を描いた「ウディ・ガスリーわが心のふるさと」という映画があります。
ウディ・ガスリーという実在のフォーク・シンガーを描いた作品です。
世界恐慌の時代、ある者は、銀行強盗となり、また別の者は、貧しい大衆の為に唄っていたようです。
ボニーとクライドも、同じ時代の空気を吸って生きていたんですよね。
僕らが生きている今の時代って、どんな時代なのでしょうか。
拳銃を握って銀行強盗するような時代でもないようだし、貨物列車の上に乗って、ギターひとつで渡り歩く時代でもないような・・。
でも、彼らが生きた時代の心の叫びのようなものは、どんな時代にも人の心の中に存在するものではないでしょうか。