映画「栄光のランナー/1936ベルリン」より
黒人ランナー
この映画を観た後、とても良い気分になりました。
今回も、僕の大好きなスポーツ実話感動物語です。
それにしても、色んな困難にもめげずに、その困難を乗り越えて偉業を成し遂げるということは、素晴らしいことであると同時に尊敬に値しますね。
この映画は、まさに、その偉業を達成したアメリカの黒人ランナーの実話です。
ジェシー・オーエンス
ジェシー・オーエンスという名前は、いつの頃であったか定かではありませんが、確かに聞き覚えのある名前でした。
僕らの世代では、アメリカの陸上競技選手で、オリンピックのゴールドメダリストというと、断然カール・ルイスの名前を、まず思い浮かべるのではないでしょうか。
カール・ルイスが大活躍するオリンピックのシーンは、リアルタイムで観ていました。
そのカール・ルイス以前に、オリンピック陸上競技で史上初の四冠を達成したランナーが、ジェシー・オーエンスです。
人種差別
1936年頃の世界はというと、アメリカ国内では、ひどい人種差別が行われていたようです。
ドイツにあっては、ヒットラーが台頭してきてユダヤ人を迫害していた時代でした。
人種差別の問題というのは、なかなか無くならないものですね。
この差別というのは、人種差別だけではなくて、いろんな所で見られる問題です。
日本でもいじめが社会問題になっていますが、これも、同じものではないでしょうか。
まだまだその他にも、いっぱいありますね。
生まれがどうのこうのとか、これらの問題の当事者は、たいへんな精神的苦痛を味合わされます。
(引用:YouTubeより https://youtu.be/y1opyEnD6zE)
コーチ
ジェシーも、同様でした。
陸上競技の才能を認められてオハイオ州立大学に進学します。
やはり大学の中でも、人種差別がありました。
そんな中で、ジェシーの才能を最も高く評価したコーチのラリー・スナイダーと出会います。
この映画の中では、特にコーチのラリーとの強い信頼で結ばれた師弟関係がナイスです。
実話かどうかわかりませんが、大学に通いながらアルバイトをして家族に仕送りをしているジェシーに良いアルバイトを紹介しますね。
ベルリンオリンピックにも、自費で、ジェシーの応援に駆け付けます。
黒人のジェシーと白人のラリーですが、同じ目線で付き合うところが最高にナイスです。
ルッツ・ロング
それとベルリンオリンピックで対戦したルッツ・ロングとの友情がとても感動的でし。
ルッツは、ヒットラーのナチス党には反対の立場で、走り幅跳びの予選で対戦した際に、二回ファールをしたジェシーにアドバイスをするシーンがあります。
ベルリンオリンピックは、もともとヒットラーが、自分の権力を誇示するための演出に使おうとした大会だったんですね。
そうした中で、反ヒットラーを勇気ある行動で示したルッツも、偉大な陸上選手ですよね。
この話は、実話で、このオリンピック後も、ジェシー取っつの友情は続いたとか。
素晴らしい!!
天才
ジェシーは、天才的な陸上選手だったわけで、いわば特殊な才能を持って生まれた人物ですね。
誰もが、100mを9秒台とかで走れるわけではないんです。
そういう点では、ジェシーも恵まれていたと言えるかもしれません。
しかしながら、そういった与えられた才能を、人種差別で苦しむ人々や政治の独裁者から弾圧されている人達に勇気をもたらすことに使ったということが、とても素晴らしいと思うのです。
ラストシーン
映画のラストシーン。
ベルリンオリンピックでの功績を認められて、ジェシーの祝賀会が開催されます。
盛装したジェシー夫妻が会場に入ろうとすると、入り口で、黒人は別の通路から入ってくれと言われますね。
これって、信じられないですよね。
それだけ、この時代のアメリカにおける人種差別もひどかったということなんでしょう。
しかし、通路を歩くジェシーに、少年が、サインを求めます。
そのまなざしは、人種偏見はなく、オリンピックの英雄への憧れと尊敬が込められています。
これは、将来訪れるであろう人種差別のない時代を予感させるものであったように感じました。
なかなかにナイスなお薦めの映画でした!!