映画「フェンス」より
デンゼル・ワシントン
久しぶりにデンゼル・ワシントンの映画を観ました。
なかなかの秀作。
この映画の監督と主演をしているんですね。
デンゼル・ワシントンは、俳優としても成功していますが、監督としても、こういった作品を制作するということは、凄く才能ありますね。
俳優としても監督としても成功した人たちといえば、クリント・イーストウッド、ロバート・レッドフォード、シルベスター・スタローンなんかの名前が浮かびます。
プロ野球の世界では、「名選手、名監督にあらず。」なんて言うセリフを聴いたことがありますが、プロ野球界や映画界にも、才能に溢れた人達がいるんですね。
ヴィオラ・デイビィス
俳優陣の中では、特にデンゼル・ワシントン演ずるトロイの妻役のヴィオラ・デイビィスの演技が、存在感があって良かったです。
この女優さんも、俳優だけではなくて、プロデューサーもやっています。
俳優としても、アカデミー助演女優賞他メジャーな賞を複数獲得しています。「タイム」誌による「世界で最も影響力のある100人」二の選出されたそうです。
凄い!
アメリカの1950年代
この映画の年代は、アメリカの1950年代。
主人公のデンゼル・ワシントン演じるトロイとその家族、友人を描いた作品。
主人公のトロイは、若い頃は、才能のある野球選手でしたが、人種差別の為に、メジャーリーガーになることはできませんでした。
ヴィオラ・ディビス演じる妻のローズと二人の息子がいます。
仕事は、清掃局でゴミ収集車に乗っていました。
長男は、ミュージシャンを夢見る長男のライオンズ、アメフトをやっている高校生のコリー。
トロイには、白人の親友がいます。
同じ清掃局でゴミ収集車に乗っているジム。
若い頃からの一番の友人です。
この親友役ボノを演じているスティーブン・ヘンダーソンが、また良いですね。
浮気をしているトロイを心配して、妻のローズを大切にするように話したり、人間味のある親友です。
(引用:YouTubeより https://youtu.be/18ReC6GlLIg)
家族
トロイは、家族に対しては、愛情が深い半面、頑固な面があります。
長男のライオンズが、ミュージシャンを夢見ていることに反対でした。
次男のコリーが、アメフトで、大学にスカウトされそうなときも、反対でした。
自分と同じ人種差別を味早生たくないという親心でした。
しかし、そういった愛情が、なかなか息子たちには、伝わらないのですね。
その他にも、トロイは、浮気をしていて、浮気相手との間に、女の赤ん坊が生まれます。
浮気をしていたことを伝えた時、妻のローズは、深く傷つきます。
しかし出産のときに亡くなった浮気相手の赤ん坊を、しっかりと育てていくようになります。
そして、時は流れ、トロイが亡くなり、葬儀の日に、家を出ていた次男のコリーが、家に帰ってきます。
彼は、海兵隊に入っていました。
父との軋轢を、今もしっかりと背負っているんですね。
かくして、妻と息子二人、娘一人、親友一人が、トロイの家に集まるわけなんですが、彼らは、皆、本当にトロイが大好きで、想い出を語り合うシーンで終わります。
フェンス
最後になりましたが、現在、アメリカでは、トランプ大統領が誕生し、彼の公約で会ったメキシコとの国境にフェンスを建設するというのが話題になっていますね。
ジョークで、「このフェンスは、難民がアメリカに入ってこないようにするためのものではなく、アメリカから国民が、逃げ出さないように建てるものなんだ。」っていうのがありました。
偶然でしょうが、この映画の題名も「フェンス」ですね。
このフェンスも、象徴でしょうね。
家族を守るためのもの。
家族が、外に出て行かないようにするためのもの。
というような意味合いでしょうか。
フェンスは、垣根ですよね。
「垣根を越えて」という言葉もありますね。
垣根を越えて、敵と味方が仲良くなるなんて言い方をしますね。
主人公の黒人の父親、トロイにとって、家族というものと家は、何よりも大切なかけがえのないものだったということなのでしょうか。
僕は、この映画の最初の部分で、デンゼル・ワシントン演じるトロイが、あまりに良くしゃべるので、少しイライラしました。
でも映画を観終わってみると、淡々としたストーリーの中にあって、家族の情感がしっかり表現されていると思いました。
良い映画でした。